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税務調査の留意点

税務調査は、主に利益を出している会社に対して3~5年に一回入るといわれています。納税者がしっかりとした申告をしているかを定期的にチェックするんだなあ程度に考えていただければ結構です。

一般的に、税務調査は法人ならば2日、個人事業者ならば1日で、1~2名の税務職員が納税者の事業所あるいは自宅に訪問して行われます。彼らはプロですので、限られた日数で特定のポイントを重点的に見ます。妥協は一切ありません。なぜなら彼らはサラリーマンですので、納税者から徴収できればお給料に反映されるため、必死なのです。一説によると、自分の年収分くらいは調査で稼げと上から言われているそうです。

なんか恐ろしいようなことばかり書いてしまいましたが、恐れることはありません。税務調査は、あくまで任意の調査であり、警察の犯罪者に対する取調べとはまったく違います。最近は、世間の公務員に対する目も厳しくなっており、物腰の低い税務職員の方が多いです。(中には変わった方もいらっしゃいますが。)ですので、法令に従った正しい申告さえしていればなにも恐れることは無いのです。(仮に、間違った申告をしていた場合でも、物腰低い態度で追徴課税を請求してきます。)

では、税務職員は、税務調査をするにあたり、どのような点をチェックするのでしょうか。以下に簡単に見ていきましょう。

★使用人兼務役員に該当するか

通常、役員は年一回の株主総会で報酬を決定し、原則として役員報酬金額を途中で変更することができません。また、特殊な場合を除き賞与を支払っても損金計上することができません。役員報酬については非常に厳しいしばりがあるのです。

もし、このようなしばりがなかったとしたら、役員は会社経営に関与することができるため、会社に利益が出そうなときに自分の判断でその分報酬金額を上げ、あるいは賞与を支払い、意図的に法人税を安くすることが可能となってしまいます。このような利益操作を防止することがこのしばりの目的なのです。

しかしながら、登記上は役員となっていたとしても、事実上会社経営に携わっていないというケースもあります。

たとえば旧会社法では株式会社は最低3人の取締役が必要でしたが、この用件を満たすために社長が使用人に取締役として形式的に就任してもらっていた場合がこれに該当します。この使用人にも通常の役員と同じようなしばりを与えてしまうのはあまりに酷ですので、この使用人については「使用人兼務役員」として、お給料についても賞与についても通常の使用人と同様に扱うことになっています。

ここで問題となるのが、使用人兼務役員となるための条件です。この条件は非常に複雑ですが、簡単に言うと、「形式的にも実質的にも会社経営に携わってないこと」です。形式的とは、その者が会社の株をどれくらい保有しているかということです。

登記上、役員となっている場合でも会社経営に直接携わってない者のうち、一定の条件を満たす場合は使用人兼務役員に該当すると覚えておきましょう。

★みなし役員に該当するか

上記の使用人兼務役員とは正反対に、役員として登記していなくても「みなし役員」として、役員報酬のしばりが適用されてしまうケースがあります。

たとえば、社長職を退いて役員からはずれたものの会社の株を保有し、顧問として会社に籍を置いているような人については、依然として会社に対して影響力がありますので、みなし役員に該当します。

★外注か給料か

建設業によくあることなのですが、いわゆる職人さんの取り扱いです。たとえば塗装業の場合、従業員のほかに毎回仕事をお願いしている塗装職人さんがいるとします。この人に支払うお金は、外注費でしょうか、それともお給料でしょうか。

仮に外注であれば、職人さんはもらった収入を事業所得として確定申告する必要があります。その収入が年間1000万円を超える場合には消費税の申告をしなければなりません。支払う会社側としては、外注費として経費処理するだけで済み、消費税についても原則法を採用している場合には売上げから外注分の消費税を控除することができます。

また、お給料であるならば、職人さんは所得税を引かれた残りを会社から受け取ります。会社側は職人さんから預かった所得税を納付しなければなりません。(これを源泉徴収義務といいます。)さらに、お給料には消費税がかかりませんので職人さんは消費税の申告をする必要がありません。

会社では当然のように外注費だと思って処理していたことが税務調査が入ったことにより、お給料とされる場合があります。

たとえば職人さんが確定申告をしていなかった場合、税務署的にはなんとかして税金を徴収したいので、お給料であると主張してくることがあります。お給料とされた場合には、会社は本来、職人さんから所得税を預からなければなりませんので、税務署は、「源泉徴収義務違反」として、その分の所得税を会社に請求するのです。

このような税務署との意見の相違を防止するためには、従業員と職人さんとの区別を明確にすることです。外注であるならば、ちゃんと「外注契約書」なるものを作成するとよいででょう。また、職人さんにはしっかりと確定申告をしてもらうように理解してもらうことも必要です。

★福利厚生費か給料か

たとえば一定の業績を残した従業員に対して海外旅行をプレゼントする場合や、会社が従業員に対して昼食を無料で支給する場合、税務上はどういうふうに扱うべきでしょうか。最近では、楽天の社員食堂を従業員がタダで利用できるというニュースが世間を騒がせましたよね。

このタダで行ける海外旅行や、タダで社員食堂を利用できるという「タダ」は、従業員にとっては利益です。これを経済的利益といいます。所得税法では経済的利益について、一定の場合には給料として課税することとなっています。

給料と認定された場合、会社には当然源泉徴収義務が発生します。ちなみに所得税法では従業員にタダで支給する食事については、それが昼食であればお給料、残業に伴う夜食代であれば福利厚生費となっています。

会社側では今まで当然従業員に対する福利厚生費として処理していたものが、税務調査によって従業員に対する給料とみなされることがありますので注意してください。給料とみなされた場合、会社には源泉徴収義務が発生し、過年度にさかのぼってその分を会社側が負担することになります。

★期間的なズレ

税務職員がせっかくの時間と労力を割いて調査したものの、なにも出てこなかった場合、最後の手段としてつついてくるのがこの期間的なズレです。

「売上が毎月20日締めの売上げなので、決算月の21日~決算日までを売上げ計上するのを忘れていた」とか、「期末の在庫の計算が少なかった」といったケースがこれに該当します。

これらについては、たとえ税務署から指摘されてその分、税金を払うこととなったとしても、その次の年度には逆にその分の税金が少なくなるため、いつ税金を払うかという一時的な問題に過ぎません。ただし、延滞税や過少申告加算税といった余計なお土産がついてしまうため、注意してください。

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